旅行や出張で大活躍のスーツケースのキャスターが、移動中に壊れたということはありませんか?
スーツケースのキャスターは、小さな車輪であるにも関わらず、荷物の重さと移動時の摩擦を全て受けるので、ヘビーに使っていると壊れてしまいます。特に、スーツケースを傾けながら移動する場合は、片側の車輪だけに負荷が集中します。
筆者も何度も使ってきた古いスーツケースの車輪が壊れてしまい、修理に出すことも最初検討しましたが、自分で修理に挑戦し無事旅行に使うことができました。
今回の経験をもとに、スーツケースのキャスターを自分で修理するメリット・デメリットや、修理する方法を通してお伝えします。
スーツケースのキャスターを自分で修理するメリット
スーツケースのキャスターが壊れたら、修理屋さんに修理を依頼するのが普通ですね。でも、自分で修理すると次のようなメリットがあります。
- 修理代が安くなる
- 旅行の直前でも修理できる
- 最寄り店で対応できないキャスターの種類に対応できる
修理代が安くなる
スーツケースキャスターの種類にもよりますが、修理屋さんに依頼すると、結構な修理代金がかかります。
相場は2,000円~4,000円。何箇所替えるか、替えるキャスターの種類やお店によって値段は変わってきます。
これを自分で修理すると、壊れたキャスター部品の実費だけで済ませることができます。
修理の納期を気にせず修理できる
旅行の準備をしているうちに、直前になって前回の旅行でキャスターが壊れていることを思い出した、などということはありませんか?
キャスターの修理依頼をすると、お店にもよりますが、納期は2週間ぐらいが一般的です。キャスターの在庫がない場合は、取り寄せる期間も必要ですので、かなりの時間がかかってしまいます。
また、スーツケース・キャスターのメーカーによっては、修理店の修理対象外のこともあります。販売しているブランドや著名なブランドしか対応していない場合もあります。
そのような場合は、また別の修理店を探すことになります。
ところが自分で修理をする場合だと、ネットショップで自分の持っているスーツケースに合うキャスターを注文すれば、最短で次の日には修理することができます。
自分で修理するデメリット
自分で修理する場合には、
- DIYの道具が必要
- 修理時間はそれなりにかかる
ことがデメリットですね。
DIYの道具が必要
スーツケースの種類にもよるかとは思いますが、手持ちの工具て対応できない場合は、必要な工具を買い揃える必要があります。
筆者の場合、スーツケースに固定されている車軸を切断する道具が自宅になかったので、ホームセンターで購入しました。
修理時間がそれなりに必要
車輪の大きさの計測・キャスター部品の購入・工具の準備、車軸の切断など、修理にはそれなりに時間がかかります。
修理をする時間的余裕がない・時間をかけたくないという場合は、納期に余裕を持って専門店に修理に出す方がベターです。
キャスターの扱い方に注意!
筆者はそれまで、かなりスーツケースを雑に扱っていました。
急ぐあまり、アスファルトの道をスーツケースを傾けながら、
少しの段差ならそのまま気にせずに、スーツケースを引っ張りながら走ったりしてました。
スーツケースを長持ちさせるためにも、旅行中もていねいに扱いたいですね。
キャスター修理体験
出発直前すぎて、修理に出せない
今回、そもそも自分で修理しようと思ったのは、あと5日後に旅行だという時期に、スーツケースのキャスターが壊れていることを思い出したため。あわてていろいろな修理業者に問い合わせるも、5日後の旅行に間に合わせてくれる業者はありませんでした。
そのスーツケースは、20年ぐらい前に買ったのですが、前回の旅行でキャスターのゴムの部分が劣化して割れてしまっていたのです。
修理箇所は、2箇所。
4輪あるキャスターですが、スーツケースを斜めにして運ぶことが多く、どうしても持ち手側の2輪に負荷がかかってしまうんですね。
今回はレンタルでしのげたとしても、後で修理に出すかスーツケースを新調しなければなりませんし、修理に出すと代金は2箇所分でそこそこの修理費がかかりそうだったので、
「この際自分で修理できるものならしてしまえ!」
と考えた訳です。
自分で直せる?修理方法はとてもシンプルだった
ネット上で、いろいろな方が修理の方法を公開しています。
共通する流れは次の通り
- 壊れたキャスターは、車輪の部分だけ取り換えればよい
- キャスターの外輪や幅を測り、大きさの合うキャスターを購入する
- キャスターは、車軸を切断して取り外す(ねじをドライバーで引っこ抜くなどはしない)
- キャスターをとりつける
これの流れを自分のスーツケースに当てはめるだけです。
やり方自体はシンプルですが、「車軸を切断」というのは力作業になり、結構根気が要ります。
必要なものの洗い出し
まず、自分の持っているスーツケースの観察からです。車輪や車軸の大きさ、取り付け方を知る必要があります。
スーツケースのメーカーは、PATOI。webで検索しても、会社は出てきません。
購入時期も10年以上前ですし、駅地下街で安く売られているのを衝動買いで買ったものです。
販売店も、駅地下が様変わりしているため、もう分からなくなっています。
実は一度、もう片方のキャスターを東急ハンズさんで修理したことがあるのですが、その時にも部品がなく、取り寄せしてからの修理でした。
構造を見てみると、「車軸」と呼ばれる車輪が回る時の軸は、スーツケースに固定されています。
修理を思いついた時、実はキャスター部分はネジで取り外しができると安易に考えていたのですが、そのような構造だと荷物運搬中にネジが緩む可能性があるんですよね。当たり前のことに気付かされました。
キャスターの大きさは、
- 外輪の直径 約40㎜
- 外輪の幅 約15㎜
- 車軸の直径 6㎜
寸法は文房具として使う普通の定規を使いましたが、正確に測るには「ノギス」という、丸いものなどを平行に挟み込んで幅を測る工具を使う方がよいと思います。
今回の修理に必要なものは、
- 車軸を切断するのこぎり
- キャスターの車輪、車軸、ねじ
- 車輪を取り付けるための工具(ねじに合っているもの)
ということが分かりました。
必要部品の調達。合うキャスターがあるかが重要
部品は次のように調達しました。
1 車軸を切るノコギリ
選んだポイントは、
「車軸と車輪の間に入る薄さかどうか」
でした。
車軸と車輪の間が狭いので、刃が薄くないと刃が入らないし、コンパクトでないと刃を動かせません。
ダイナミックに切れそうな大きなノコギリはダメ。
当然、金属も切れなければダメ。
選んだのは、次のノコギリです。
リサイクルWソー(メーカー:株式会社髙儀)
普通のカッターのような使い勝手で使用でき、保管も安全で場所を取りません。刃が一般金属用と木・プラスチック用が片側に1枚ずつついており、用途に合わせて刃を引き出せばよいようになっています。
実物で形状を確認できますし、できればホームセンターに行って実物を見て購入することをおすすめします。
お使いのスーツケースに合わせて選んでください。
2 キャスター
こちらは、ホームセンターではスーツケースに使えそうなキャスターは販売していませんでした。
ネット上で「スーツケース キャスター」で検索するといくつかヒットしました。
自分でキャスター修理をする人が対象なので、ネジや車輪がセットになっているものが多いです。
自分のスーツケースキャスターの大きさに、一番マッチしたのが、Angel oneという会社のキャスター用車輪。
- 外輪の直径 40㎜
- 外輪の幅 約15㎜
- 車軸の直径 6㎜
- 車軸(の長さ)30㎜
軸が30㎜でギリギリ足りるか微妙だったので少し不安でしたが、
他には適当な大きさのものはなかったので、意を決して購入。購入はAmazonからです。
この商品は、2輪分の、車輪、車軸(ボルト)、ねじ、ワッシャーと六角レンチがキットになっています。
3 車輪を取り付ける工具
上記のように、全てきっとになっているので、ねじに合った工具を探す必要はありませんでした。
このキットの金額は、1,295円。
Amazonの通常配送で、注文して3日後に届きました。
車輪の切断が一番大変
道具が揃ったところで、作業開始。
筆者のスーツケースのキャスターは、車軸が見える部分が非常に狭く、のこぎりをギコギコ動かしてもどこまで切れているかどうか見えないので、何度か心が折れそうになりました。
途中くじけて、車輪のプラスチック部分を切って先に解体した方がよいのでは?と思いましたが、やってみるとこちらの方が余計に大変なことに気付き、気を取り直して再度車軸の切断を続けました。
ネット上の体験談では、10~15分くらいで切断できるとありましたが、私はDIYには縁のない初心者主婦。
不慣れなため余計なところも切ってしまっており、
「自分でやるなんて無謀だったんだろうか?」
という思いが頭をかすめつつ、動かすこと約20分。ふと、抵抗感がなくなったような感じがし、車輪を動かしてみると、
「車軸が切れている!\(^o^)/」
慣れていなくてもやればできます。
しかし、20分も両腕に力を入れっぱなしだったので、しばらくは腕がよく動きませんでした。
2つ目の車輪は、根を詰めずに、TVを見ながら気楽に切断。
30分かかりましたが、TVを見てる間に終わってしまいました。
付属品の六角レンチを使い、キャスターをとりつけてみると、ピッタリです!
試しに動かしてみても、快適な走行感!
スーツケースは、その後5回ぐらい旅行で使用していますが、外れたり破損したりすることなく使えています。
やってみるものですね。
今回、大きさの合うスーツケース用のキャスターが見つかったのがよかったです。
ネットですぐに見つかったので、「やっぱり結構なニーズがあるんだな」とは思いましたが、在庫切れや生産中止というケースもあるかもしれません。やはり、早めに準備するに越したことはありませんね。
ちょっとした面倒さをクリアすれば、自分でもキャスターを修理できます。
ちょっと根気は要りますが、修理代を浮かして、その分旅行に使うのもオススメですよ。